NAS (ネットワークアタッチドストレージ)にバックアップを取り始めました。
かなり昔に、LinuxサーバーでSMBを使ってデータのバックアップ、とかはやっていた時期があります(NASといって良いのだろうか?)最近はなくなったら困るデータをクラウドストレージに入れるだけで満足していました。
フルバックアップを取る理由
データのバックアップは別として、システム全体のフルバックアップは長らく取っていませんでした。今回、新しくフルバックアップを必要と感じたのは、
- インストールに物理的、ライセンス的に制限があるアプリを利用し始めた
- 台数が多いので一台ずつ設定するのは復旧がめんどくさい
- イントラネットなので、インターネット上のソフトウェアのダウンロードが大変
- Windows 11にアップグレードしたい
の理由からです。
特に最初の理由で、利用するアプリのインストールに人を呼んで作業してもらう必要が出てきてしまったので、復旧にかかる時間と費用が大きくなってしまったので、フルバックアップを取ることにしました。(データ自体はクライアントにはほぼ置かないので、バックアップ頻度は低いです)
最後の理由が、今、バックアップを取る理由です。別記事にしていますが、Windowsをアップグレードしたいので、
- アップグレードして問題が生じた場合に戻したい
- アップグレードした後、問題が生じたらWindows 10に戻しつつ、Windows 11も残したい
- 問題が解決したらWindows 11に移行したい
をかなえる手段として、
- Windows 10のバックアップを取ってWindows 11にアップグレード
- Windows 11でバックアップを取る
- Windows 11で問題が起こったらWindows 10のバックアップに戻す
- 問題が解決したらWindows 11に移行する
をしようと思っています。「Windows 11は動作保証できない」とずっと脅してくるアプリケーションベンダーのせいです、多分。

バックアップツールいろいろ
今回、バックアップを取るにあたって検討したツールがいくつかあります。
- AOMEI Centralized Backupper
- Acronis Cyber Protect Standard
- Urbackup
- Synology Active Backup for Business
AOMEI Centralized Backupper
最初に利用を検討したツールがAOMEIです。PCを100台バックアップしても25万円程度で済むライセンス価格が魅力でした。が、とりあえず試しで使ってみた、通常のAOMEI Backupperが設定その他、私には使いにくく無理と感じたので諦めました。
Acronis Cyber Protect Standard
イメージバックアップ機能がついているのはStandard以降です。価格がネックで諦めました。100台だと年間ライセンスで100万以下程度なので他をあたることにしました。
UrBackup
オープンライセンスで無料で使用できるツールです。テスト環境でインストールしてみましたが、うまく働きませんでした。(多分、ネットワークの何かしらの問題だと思います)
Synology Active Backup for Business
最終的にこの選択肢に行きつきました。他の用途にも使えるNASで、バックアップツールのライセンスは無料なのが嬉しいです。
QNAPは?
よく比較されるQNAPのNASには、NetBak Replicatorというバックアップツールがあるようですが、QNAPのものはイメージファイルを作成してフルバックアップするツールではなく、ファイルバックアップなので、普段のデータバックアップ用ですね。
SynologyのNAS
SynologyのNASは数年ごとにモデルチェンジしているので、新しいモデルのほうがCPUが速いためお勧めです。
多くのモデルで、10GbイーサネットとSSDキャッシュ用M.2スロット2本のPCIE拡張カード(E10M20-T1)がつけられるか、SSDキャッシュスロットがついているので必要ならつけると良いと思います。
現在だと2021年モデルか2022年モデルが選択できますが、私は2021年モデルのラックステーションを購入しました。2022年モデルではRyzen Embedded R1600、2021年モデルではRyzen V1500B搭載が多いように見えます。22年モデルのRyzen R1600のほうが微妙にシングルスレッドが速いですが、21年のV1500Bのほうがコアが多くマルチスレッドが速い感じです。高性能機種はXEON搭載で倍速なので、微々たる違いなので、搭載可能HDD数で選べば良いでしょう。
私は12ベイモデルのラックステーションに半分くらいHDDをつけ、キャッシュ用SSDとメモリアップグレードをしたNASを用意しました。メモリは純正を使わないと保証が利かなくなるので注意です。

今回は、SynologyNASの基本ソフト「DSM」の機能の一つ、Active Backup for Businessを使いました
Active Backup for Business
Synologyのアカウントを作成してアクティベーションする必要はありますが、無料で使用できるツールです。アクティベーションも、Synologyのウェブサイトに接続できる別PCからセットアップしてアクティベーションコードを発行すればオフラインで可能です。かゆいところに手が届くシステムで好感度高いです。
バックアップ方法設定
クライアントPCにバックアップエージェントをインストールする前に、Synology NASのほうでバックアップスケジュールなどを決めた設定を作成しておく必要があります。
クライアントかサーバーか、WindowsかLinux、Macか、などをデフォルト設定すると、クライアントPCごとに該当するマシン設定のデフォルトでバックアップされます。サーバーは毎日、クライアントは週1など設定するとその通りに動作するので、結構便利です。
インストールしたマシンと同じマシンに別OSを展開したら、挙動がおかしくなりましたが、それ以外は狙い通りにバックアップを取ることができました。
バックアップファイル
エージェントをインストールして、サーバーのIPとサーバーの接続ユーザー情報(Active Backup for Business用のユーザー名とパス)を設定すると後は設定どおりにバックアップが進んでいきます。サーバー側で「重複バックアップを容量削減」もしてくれるので保存容量も少なく済みました。(Bitlockerは使用していないのに、他のツールで暗号化ボリューム判定されるPCが半分くらいあっても、容量が3分の1削減できていたので結構優秀だと思います。(ほとんどが同じプログラムのクライアントなら)
バックアップファイルへのアクセス権を、NASのユーザーには不許可にしておくとバックアップを操作はできないのでランサムウェア対策にもよさそうです。
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