アクセス解析「リサーチアルチザン・ライト」を試す

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アクセス解析ソフトウェアのリサーチアルチザンライトを以前のブログサイトにインストールして試しました。

インストール方法

ダウンロードしたインストーラーが付属しているので、インストールは比較的簡単です。インストール作業が必要なので、普通の状態でSeesaaブログやFC2ブログ、アメーバブログなどに直接利用することは出来ませんが、対応できるレンタルサーバーがあれば、

  1. レンタルサーバーにインストール
  2. 解析用Javascriptコードをブログに貼り付け

で外部から使うこともできます。

リサーチアルチザン

http://osdn.jp/projects/raproject/
http://osdn.jp/projects/raproject/

リサーチアルチザンライトは、リサーチアルチザンプロジェクトによって開発されている(いた?)オープンソースの日本語アクセス解析ソフトウェアです。PHPとMySQLデータベースが使えればインストールして使うことが出来ます。

Movable TypeやWordpress、Joomla、Drupal、EC-CubeなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)と一緒に使うことを想定されています。このサイトもWordpressで作られていますので、インストールして使うことが出来ます。

Javascriptのタグさえ貼り付けられれば、無料ブログでも利用できると思います。

リサーチアルチザンライトは無料のオープンソースソフトウェアなのですが、「ライト」というからには「プロ」があります。リサーチアルチザンプロです。月額500円程度のサービス料で使うことが出来ます。こちらは、ウェブアルチザンという組織が運営しています。

リサーチアルチザンライトは、無料でアクセス解析できるソフトウェアとしては悪くありません。基本は抑えています。ただ、目だって良いというわけではありません。「Google Analyticsが無料なのにすごすぎる」からです。

リサーチアルチザンライトで出来ないこと

リサーチアルチザンライトはアクセス解析として必要な機能は一通り揃えています。Google Analyticsと比べるとどうしても見劣りしてしまいますので、どのような点が違うのか書いていきます。

リアルタイム解析がない

Google Analyticsの場合は、リアルタイム解析機能を備えています。いつでも、今何人の人がサイトのどのページを閲覧しているのか、どの地域の人なのか、ということが一目で分かります。

分かったから何ができるわけでは全くないのですが、この機能があると、ああ、見てくれている人がいるんだな、とちょっとやる気が沸いてきます。

細かい解析がない

私が運営しているような弱小ブログの場合にはあまり関係ないのですが、Google Analyticsでは人の動きを解析することが出来ます。たとえば、

  • 訪問者の40%は、トップページを最初に開く
    • 10%は、日記カテゴリを次に開く
    • 20%は、最新記事を見に行く
    • 10%は、そのまま帰る
  • 訪問者の20%は、最新記事を最初に開き、10%はトップページから来る
    • 5%は、人気記事を見に行く
    • 25%は、そのまま帰る

というようにサイト訪問者の流れを可視化することが出来ます。(実際はマップ状に表示されます)

リサーチアルチザンライトには出来ること

Google Analyticsにはなくて、リサーチアルチザンライトに出来ることはないのか、というと、あります。共存も出来ますので、気になる方は無料なので試してみると良いでしょう。

ログを残せる

Google AnalyticsはデータはすべてGoogleが保有していますので、何かあれば取り上げられてしまうかもしれません。また、訪問者の個別IPを見たりすることは出来ません。

訪問者を区別できる

Google Analyticsでは、初めて訪問する人と、再訪してきた人の区別をすることが出来ます。平均訪問回数も見ることが出来ます。

でも、いつも来てくれる人がどこのページを見にくるのか、初めて来る人?など、訪問者ごとにどういう行動を取るのか区別することはできません。リサーチアルチザンライトでは、訪問者にIDをつけて個別に動きを見ることが出来ますので、そういう要望にもこたえられます。

ただ、弱小サイトで必要かというと微妙です。

Googleサービスと切り離されている

ある意味、リサーチアルチザンを使ってみる動機としてこれが大きいかもしれません。私はこれが理由です。

Googleのサービスは相互に連携させることが出来ます。また、させたほうが便利なので連携させてしまいます。たとえば、グーグルアナリティクスは、ウェブマスターツールやアドセンスアカウントと連携させることでよりデータを見ることが出来るようになります。

連携させるということは、グーグルにすべて見られているということです。ウェブマスターツールには、たくさんのサイトを登録することができ、グーグルのインデックス(検索で見つかるための索引)に登録を申請することが出来ます。

たくさんのサイトを登録した場合に、自分が運営するサイトが何らかのペナルティを受けた場合に、芋づる式に運営サイトが同時にペナルティを受けたという報告がいくつもウェブ上に見つかります。

アナリティクスで同様の報告はないようですが、これからたくさんサイトを作ろうかなと思っている私には気になるので、ここのサイトで試験導入してみました。

無料ソフトウェア

リサーチアルチザンライトに限らず、無料サービスは「誰かの自己犠牲で出来ている」「誰かが収益を得るためにやっている」の二つです。前者はネット黎明期にはよくあって「ソフトを作って賞賛される自己満足」「スキルを示す」というような動機(だけとはいいませんが)でたくさんのフリーソフトウェアが生まれました。でも、今は利益が出ないサービスはなくなってしまいます。

ウェブサービスの場合にはサービス終了とともに利用停止にになってしまいますが、リサーチアルチザンライトの場合にはダウンロードしてインストールするタイプのソフトウェアですので、プロジェクトが停止しても使うことは出来ます。

RAver1.17

そして、残念ながら記事執筆時点の2015年6月15日現在の最新版ver1.17の最終更新日は、4年前の2011年11月20日です。リサーチアルチザンプロはメンテナンスされていますが、リサーチアルチザンライトはメンテナンスされていないのです。

今はサイトを運営するのにセキュリティに気を使わなくてはいけない時代です。どんなソフトウェアにもどこかにセキュリティホールがあると考えたほうが良いでしょう。日本のローカルソフトウェアだからまだハッキング被害に遭っていないだけかもしれません。

リサーチアルチザンプロ

リサーチアルチザンプロは、ライトよりも当然高機能です。

  1. リアルタイム解析機能がついている
  2. 訪問者のヒートマップ(どこをクリックしたか)を作ることが出来る
  3. 訪問者の画面スクロール・マウス軌跡を見ることが出来る
  4. スマートフォンアプリがある
  5. メンテナンスされている

アナリティクスにもついていない、訪問者の動きを再生して見ることが出来ます。有料で、月額490円からという価格設定になっています。レンタルサーバー代と比べると、高くありません。(ただし、複数サイトの場合に使用するには、合算するか別料金です)

Google Analyticsを使いたくない理由があれば、検討してみても良いと思います。