サムスンGalaxy Note 7は強制無効化

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2016年の話題の一つは、サムスンのGalaxy Note 7の発火問題です。アメリカの空港でGalaxy Note 7が持ち込み禁止になった日にアメリカの国内線に搭乗していたので、日本で報道に触れる前だったので非常に驚きました。

機種を名指しで持ち込み禁止にするのは前代未聞です。スマートフォンで使われるバッテリーは高密度で制御が難しいものなので、以前から時々爆発する事件はありました。あまりにも多かったのでしょう。

Galaxy Note 7の無効化

サムスンが所有ユーザーのせいにしたり、交換対応した新しい端末も発火したりと問題対応を繰り返していたのは知っている方も多いと思います。その後機種の欠陥であったとして回収対応になっています。

回収率は93%と決して低くないと思うのですが、2016年11月になり、サムスンがGalaxy Note 7の強制無効化を発表しました。大手キャリアのVerizonが賛同しなかったですし実効性が乏しいと思いますが、とりあえず対応したフリ、といった感じでしょうか。12月中旬にVerizonが無効化に賛同することになったようなので、所有者の多くはリコールに応じるか、なにか対応すると思われます。発火が多発しているスマートフォンを自分で使おうとはとても思えないのですが・・・・

充電不可

所有していないので直接は関係ありませんが、この強制無効化の方法に驚きました。オンラインで提供されるアップデートパッチによって充電できなくなると言われているからです。充電できるできないといったところまでソフトウェア制御で、メーカーがその気になれば勝手に無効化されてしまうというのは空恐ろしいことです。拒否することもできず勝手になってしまうのかどうか、詳細はわかりませんが怖いです。

無効化スケジュール

Glaxy Note 7の無効化スケジュールは、

  • T-mobile – 2016年12月中
  • Verizon – 2017年1月5日
  • AT&T – 2017年1月5日
  • Sprint – 2017年1月8日

になっています。

サムスン電子のダメージ

Galaxy Note 7によるサムスンへの影響はかなり大きいようです。期待の新機種でしたし、爆発が発覚してからもその一点以外は評判が良い機種でしたので、爆発騒動が発覚するのがもう少し遅かったら日本でも売られていて人気機種になったはずです。

直接的な損害額は1.49ビリオンドル($1,490,000,000=1800億円弱)とサムスンの利益(すぐ見つかった2014年が3兆円)と比べると許容範囲かもしれません。ただ、特に市場が大きいアメリカで忌避感が広がっているようなので今後の影響としてはとても大きそうです。

個人的にはサムスン製を買うことはないですが(日韓関係とか関係なくニッチな製品が好みですので・・・サムスンのシェアが10番目くらいになったら買うかもしれません)、日本でのトレンドは次はASUS・ファーウェイでしょうか??

日本で上場していたら全力空売りするところなのですが、残念ながら東京市場には上場していません。

原因?

直接的な原因は結局よくわかっていないですが、競争激化で無理な設計をした、ことと言われているようです。
ここ数年思ってきたことですが、中国メーカーの進歩というか努力がすごいです。5年前だったら、中華パッドはまだ多少使える玩具レベルで、持っていると変人扱いされたのですが、今は日本でも大手キャリアがファーウェイとかを売っていたりしますし、シャオミもZTEも存在感が増しています。

それでもLeEcoのようなこともあるので油断はできませんし、iPhoneかGalaxyの劣化コピー的な機種も多いのでまだまだではありますが、日本に追いついて追い越した韓国企業がすでに中国に追いやられそうになっているのは時代を感じますね。テレビも冷蔵庫も中国メーカーがかなり出てきていますし。

日本の製造業・・・

直接関係ないので蛇足ですが、この件を見ていると日本の製造業の先行きが不安で仕方ありません。アメリカの大統領選挙の結果、TPPもNAFTAも先行き不透明です。

最近、個人的に日本の大手メーカーの後追いをする気しかない姿勢に辟易した事例が2回ありました。どうしてもこの先浮上してくれるとは思えません。自動車メーカーだけは頑張ってくれるといいなあと思いますが、電気自動車は参入が容易なうえに日本企業は出遅れ感があるので心配です。