CyberpanelをAlmaLinux 8.7にインストール

4月 20, 2023

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重いけれど使いやすそうなのでVPSに入れようかと思っていたサーバ管理ツールの「Cyberpanel」が、Ubuntu 22.04でちょっと面倒くさそうなエラーが出るようなので、代わりになるAlmaLinux 8を入れて、Cyberpanelをインストールしてみます。

CyberPanelは、人によっては使いやすいと感じるかもしれませんが、私の好みには合いませんでした。

CyberPanel

サーバ内のウェブサイトを管理するツールです。cPanelというツールがレンタルサーバーに入っているので使い慣れているのですが、一番安いライセンスでも月額15.99ドルなので、この金額を自分で支払うくらいなら高級なレンタルサーバにした方が良いです。

代替ツールを探して、まずたどり着いたのがCyberPanelです。

https://tek2tech.com/cpanel-alternatives-april2023/

基本無料で利用でき、デフォルトでOpenLiteSpeedもインストールしてくれる優れものです。掲示板やドキュメントもかなり多めなので選びました。

Ubuntu 22.04とはちょっと相性悪い?

公式にサポートされているはずのUbuntu 22.04にインストールしてみたのですが、FTPへの接続がどうやってもうまくできませんでした。

530エラーというのが出て切断されてしまいます。調べると、掲示板に出ていました。

すぐ出てきてくれて良かったのですが、解決方法は、「デフォルトでセットされているPureFTPをアンインストールし、他のFTPツール(fzSftp)を入れて設定する。ただし管理画面からの連携はできなくなる」という結構絶望的なモノでした。これをするくらいなら、と他にサポートリストに挙げられているCentOS系のAlmaLinuxを使ってみようと思い、今回AlmaLinuxを触ってみました。

AlmaLinux

Linuxディストリビューションのうち、歴史も古く商用でよく使われてきたRed Hat Linux系列のRed Hat Enterprise Linux(RHEL)のクローン的なOSにCentOSがあり、2004年から開発されていました。

CentOSはフリーのディストリビューションでかなり使われていますが、2020年に新規開発の停止がアナウンスされてしまいました。後継として開発がスタートしたのがAlmaLinuxで、CentOSと同じくRHELのクローンとして同じバージョンナンバーでリリースされています。最初のバージョンが2021年3月20日にリリースされたばかりの新しいディストリビューションです。

RHEL 8系統が8.7で停止したので、AlmaLinux 8系統も2022年11月10日にリリースされたAlmaLinux 8.7で終わりになり、後継バージョンとしてAlmaLinux 9.0、AlmaLinux 9.1がリリースされています。

サポートが長い

AlmaLinuxはセキュリティに関して10年サポートを目指して活動しており、AlmaLinux 8は2024年5月までアクティブサポート、2029年3月までセキュリティサポートが予定されています。AlmaLinux 9はもっと長く、アクティブサポートが2027年5月、セキュリティサポートが2032年5月までとされています。

無償利用可能

CentOS、Fedora、Ubuntuなどと同じくフリーで利用可能です。

AlmaLinux 8.7

今回は、AlmaLinux 8.7をインストールしました。

最新版ではないAlmaLinux 8.7を選んだのは、AlmaLinuxを使って動かしたいCyberpanelがAlmaLinux 8は公式対応しているけれど、AlmaLinux 9はサポート外だからです。

デスクトップは必要ないので、ダウンロードページから「AlmaLinux-8.7-update-1-x86_64-minimal.iso」を落とし、仮想サーバに入れてKVMでインストールしました。

インストール

起動すると、最近よく見てきたUbuntuとは印象が大きく異なる画面が立ち上がりました。

CentOSを触ったのはずっと昔ですが、どうもインストール画面からしてCentOSのクローンのようです。

言語を選んだあと、インストール設定をしていきます。インストール先、Rootパスワード、ユーザー設定は最低限必要です。ハイライトしているネットワーク設定もやっておかないと、インストール後にアップデートするにも苦労したので、最初からやり直して設定してインストールし直しました。

Ubuntuと異なり「root」でログインできるようになっているので「root」のパスワードを設定し、一般ユーザーを設定します。

ユーザー設定のところで、「Make rhis user administrator」とある部分を有効にしておかないと、作成したユーザーから「sudo」「su」できないのでチェックをしました。

デスクトップ環境などを入れないおかげか、インストールはすぐに終わりました。

ログインして「sudo yum update」でパッケージをアップデートします。Ubuntuの「sudo apt update && sudo apt upgrade」より短いですが、Ubuntuのリポジトリより回線が細いのか込んでいるのか、ダウンロード速度は遅い気がします。

Cyberpanelインストール

Cyberpanelの公式ドキュメントの通り、rootユーザーでログインして

sh <(curl https://cyberpanel.net/install.sh || wget -O – https://cyberpanel.net/install.sh)

を打ち込むとインストーラが動きます。

インストールできるウェブサーバはLiteSpeedなのですが、無料版のOpenLiteSpeedと、有料版のLiteSpeed Enterpriseから選ぶ形になります。インストール後、OpenLiteSpeedからLiteSpeed Enterpriseへの移行は可能ですが逆はできません。

オプションに、よくわからない項目も出てきました。

Would you like to set up a WatchDog (beta) for Web service and Database service ?
The watchdog script will be automatically started up after installation and server reboot
If you want to kill the watchdog , run watchdog kill
Please type Yes or no (with capital Y, default Yes):

Litespeedとデータベース(MariaDB)が停止した際に再起動するツール、らしいですが不明です。

インストール完了!

30分ちょっとでインストール完了しました。(この翌日にもう一度やったら14分でした)

接続先として表示されているアドレスは、インターネットに接続するのに使っているIPv4アドレスです。IPv4を割り振られているか、ルータで設定されていなければこのアドレスに接続してもコントロールパネルは開けません。

AlmaLinuxが動作しているマシンのプライベートIPアドレスの8090ポートへ接続すれば表示できます。例えば、AlmaLinuxの仮想マシンが192.168.0.111であれば、「http://192.168.0.111:8090」もしくは「https://192.168.0.111:8090」です。http接続だとSSLではないので「安全ではありません」と最近のブラウザに警告されます。

FTPは無事動作

Ubuntu Server 22.04にCyberpanelを入れた場合、pureFTPが530エラーを起こしてftpアクセスできませんでした。

AlmaLinuxへのインストールではエラーは起こらず、無事に接続できました。

Ubuntuより軽いAlmaLinux

インストールして、アップデートをかけただけの状態で、Ubuntu Server 22.04の場合はインストールボリュームの容量が11GBが使われていました。AlmaLinux 8.7では5.9GBなので、かなり違います。

物理サーバを運用するなら対して変わりませんが、クラウドホスティングやらVPSやらの場合には、AlmaLinuxベースなら10GBを契約すれば済むところ、Ubuntuベースだと15GBや20GBを契約しないと動かせないので、稼げないサイトを自腹で作るならAlmaLinuxのほうが良いですね!