iPhone 6s、6s Plusのチップ問題

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先日発売開始になった、AppleのiPhone 6sとiPhone 6s Plusで、内臓するCPUチップによって性能とバッテリーの持ちが違うということが話題になっているようです。

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iPhone 6s/6s Plusのチップ問題

2015年9月25日に発売開始になった最新のiPhone、iPhone 6sとiPhone 6s Plusですが、外見からは分からないけれど、性能・発熱・バッテリー持続時間が違うと話題になっているようです。

公式には10月8日に大きな違いはないと否定されていますが、あちこちを見て回る限り、違いはありそうですし、ないとは思えません。

アップル、新「iPhone」の「A9」チップとバッテリ持続時間に関する指摘に反論
アップルは、新型「iPhone」に搭載されているチップによってバッテリ持続時間が異なるという懸念に対し、指摘されているほど大きな差はないとの見解を示した。

Samsung製かTSMC製か

iPhone 6sには2種類のチップのうちどちらかが使われています。TSMC製のものがSamsung製よりも性能、発熱、バッテリー持続時間のすべてで優れているとニュースになっています。

iPhone 6s/6s Plusの「A9」チップ、製造元により性能差があるかも…
Reports: Samsung-powered version of Apple A9 is too hot to handle [UPDATED] - ExtremeTech
There are two versions of Apple's iPhone 6/6S -- one contains a chip from TSMC, one from Samsung. Testing thus far indicates the two are not created equal.

Samsung 14nm A9

一方はSamsung製で、製造工場は不明ですが、韓国に2箇所、アメリカ・テキサス州オースチンに1箇所あるSamsungの自社工場もしくは提携しているGlobal Foundariesのアメリカ・ニューヨーク州サラトガの工場で製造されているものだと思われます。

TSMC 16nm A9

他方はTSMC製です。TSMCは台湾の会社で、台湾や中国上海、シンガポールその他で工場を稼動させています。聞き慣れない名前かもしれませんが、半導体の委託製造工場として最古かつ最大の会社です。

TSMCはQualcommやAMD、NVIDIA、MediaTek、Marvell、Broadcomm、Allwinnerといった会社の半導体を製造しています。これらの会社は聞いた事があると思います。特にQualcommはSnapdragonというブランド名でスマートフォンで一番有名なCPUを展開していますし、MediaTekやAllwinnerは特に中華系や廉価なスマートフォン・タブレットで多く搭載されているCPUです。

二つの違い

Samsung製もTSMC製もA9というCPUですので基本的には同じようなものです。A9はARM社が設計したARM Cortex-A9というCPUで、他にもQualcommやHuaweiなど同じモノを製造している会社があります。

同じ世代で、元は同じ設計のはずでも、性能が違うというのは良くあることです。USBメモリやSDカードでも、製造元によっては性能も耐久性も違いますし、異常に熱くなるものがあったりもします。

それと基本的には同じことで、製造メーカーが違って全く同じ素性ということはないと思います。

プロセスルール

現実的には、Samsungは14nm FinFET、TSMCは16nm FinFETという技術(プロセスルール)を用いて製造しています。

ナノメートル(nm)の数字はCPUのチップ内部での配線幅を示しています。かつては小さいければ小さいほど、チップ面積が小さくなり、消費電力を抑えられ、さらに高性能でした。

メーカーによって数字の基準が違うので、Samsung 14nmとTSMC 16nmは基本的に同程度のはずです。出来上がったチップは、

  • Samsung 96 mm2
  • TSMC 104.5 mm2

と面積で8.8%の違いがあります。

Teardown reveals Samsung, TSMC both fab Apple's A9 processor - ExtremeTech
Apple's new A9 has been torn down and analyzed -- and the company is dual-sourcing the part from two different vendors.

SamsungのCPUについて

AMDの14nmプロセッサがSamsungで製造される可能性 ~GLOBALFOUNDRIESがSamsungの14nmプロセスをライセンス
GLOBALFOUNDRIESは22日(日本時間)、都内で記者会見を開き、来日したCTOオフィス アドバンスト・テクノロジー・アーキテクチャ バイスプレジデントを務めるスブラマニ・ケンゲリ(Subramani Kengeri)氏が、最新の動向について説明を行なった。

「ピッチをアグレッシブに設定した」(=隙間をアグレッシブに設定した≒減らした)と説明している記事がありました。8%の違いはこういう点から来ているのかもしれません。

プロセスルールが小さくなるにつれて、電力の漏れが問題になることがあったり、思うように性能が出なかったりしています。単純に小さくすれば何とかなるわけではなく、多くの技術の結晶です。

TSMC 16nmとSamsung 14nmのいずれも、2つのステージがあるようです。TSMCは「16FF」と「16FF+」、Samsungは「14LPE」と「14LPP」でいずれも後から高性能化する予定と言うことでした。iPhone 6sに載っているのがどちらか分かりませんが、いずれ解消するかもしれません。

半導体プロセスまるわかり 14nm以降に立ちふさがる大きな壁 (3/3)
プロセスロードマップの最後は、インテル以外のファウンダリーの、主にロジックプロセスに関する近未来展望を紹介したい。ファウンダリー別に紹介するより、プロセスノード別の方がわかりやすいので、これにそって説明していきたい。

こちらは2014年7月のAscii誌記事です。2015年に量産されているとは思えないということだったのですが、世界で最も売れる新型iPhoneに搭載されて発売されました。

急いで出したために期待通りに行かない、というのも有り得なくはないですし、Appleもどちらが量産可能になるのか分からない状態で発注したのかも、しれません。

ベンチマーク

性能差があるとしたベンチマークはAnTuTu(安兎兎)というベンチマークで、スマートフォン・タブレットでよく使われていますが、結構誤差が大きいものです。

また、最近フォルクスワーゲンで問題になったように、ベンチマークがよければ日常使用でも性能が期待できるわけではありません。

日用としてはそれほど差がないかもしれませんが、バッテリーは結構違いがありそうな気がします・・・。まあ、iPhone派ではないのでそんなに関係ありませんが、StageFright問題のようなものが今後もたくさん出てきたら乗り換えを考えます。

 

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