ワンコの餌、どれをどれだけ与えるか、悩ましいです。パッケージに書いてある適正量と、ネットで調べる適正量が大きく異なっているので、どれを信じればよいのかもわかりません。
トレーナーさんと相談した結果も踏まえて考察します。
ドッグフードのカロリー
人間の食べ物と同じく、ドッグフードの量を考えるときも基本になるのはカロリー計算です。フードのパッケージに大体のカロリーが書かれていますが、このカロリーは炭水化物、脂質、たんぱく質の含有量から計算される数字と大体一致しています。
タンパク質と炭水化物1gあたり3.5~4キロカロリー、脂質1gあたり8.5~9キロカロリーで計算すると、大体の数字がでます。(アメリカの団体AAFCOのページでは、3.5キロカロリー、8.5キロカロリーで計算するようになっていますが、日本では一般的に4キロカロリー、9キロカロリーです。)
ペットフードの成分表は、粗たんぱく質28%以上、脂質10%以上、粗灰分8%以下、水分10%以下、のようにかなり適当な表示なのですが、以上・以下を全部無視して適当に計算した値とほとんど一致するため、それでよいのだと思います。灰分というのは、いわゆるミネラル分で、炭水化物量は全体量からタンパク質、脂質、食物線維、水分を除いた残りです。
%表示は、そのまま100g当たりのグラム数ですので、そのまま%表示に3.5ないし8.5をかけると100g当たりのカロリー数になります。大体350キロカロリー以上になりますが、私が選んだフードは450キロカロリーでした。
メインのカロリー源はタンパク質と炭水化物で、灰分はそれほど増やされる成分でもなくドライフードなら水分量も10%程度になるため、ドッグフードのカロリーは主に脂質量によって決まるということになります。
必要なカロリー
人間の場合と同じく、体の維持に必要なカロリーは現在の体重と運動強度によって決まります。
安静にしていても体の維持に必要なカロリーをRERとよび、人間でいう基礎代謝で体重(kg)の0.75乗に70をかけた量(キロカロリー)です。
体重 | RER(キロカロリー) |
1 | 70 |
2 | 118 |
3 | 160 |
4 | 198 |
5 | 234 |
8 | 333 |
10 | 394 |
15 | 534 |
20 | 662 |
25 | 783 |
30 | 897 |
なんとなく、人間の体重別基礎代謝量に近い数字です。人間の場合は基礎代謝量から必要カロリー数を計算する運動強度が高い数字になることはほとんどありませんが、犬の場合は運動強度にあたる係数が非常に幅があり、かつ高い数字なので最適な餌の量を考えるのが難しくしています。
係数 | 1㎏ | 2㎏ | 5kg | 10kg | 20kg | |
子犬0~4か月 | 3 | 210 | 353 | 702 | 1181 | 1986 |
子犬4か月以上 | 2 | 140 | 235 | 468 | 787 | 1324 |
去勢済の成犬 | 1.6 | 112 | 188 | 374 | 630 | 1059 |
未去勢の成犬 | 1.8 | 126 | 212 | 421 | 709 | 1192 |
活動性が低い犬 | 1.2–1.4 | 84–98 | 141–165 | 281–328 | 472–551 | 794–927 |
活動的な犬や使役犬 | 2.0–5.0 | 140–350 | 235–589 | 468–1170 | 787–1968 | 1324–3310 |
体重を減らしたい | 1 | 70 | 118 | 234 | 394 | 662 |
体重を増やしたい | 1.2–1.8 | 84–126 | 141–212 | 281–421 | 472–709 | 794–1192 |
体重を減らしたい場合と増やしたい場合は、目標体重に対して係数をかけます。(参考:https://vet.osu.edu/vmc/companion/our-services/nutrition-support-service/basic-calorie-calculator)
カロリー計算機
ネット上にも計算機がたくさんあります。

ドッグフードの表示
ネット上で簡単に見つかったブランドで、サイエンスダイレクトの場合、子犬では、
100gあたり383キロカロリーlなので、例えば10㎏の10か月の子犬なら785キロカロリー、20kgなら1321キロカロリーがメーカー推奨ということになります。この数字はRERから計算した上の数字とほぼ同じです。
成犬用を見ていくと子犬と同じようにほぼ一致しますが、計算式でいうと去勢済みの成犬というところに入ります。
個体差は大きい
が、個体差によるものがかなり大きく、結局は体重の増減を見ながら調整してくしかないですが、体重を減らしたいとき、増やしたいときには参考になります。
グラムとカップに注意
当初トレーナさんと話をしていてかなり食い違ったのが、フードの重さと嵩(カサ)のことです。一日給餌量がグラムで書かれているフードが多いのですが、時々、一日2カップなどと嵩で書かれている場合もあるのです。重さと嵩の関係はフードの種類、フードの粒の大きさによって違っていて、いつも同じとは限りません。
また、当初ドライフードの重さの目安が書かれた計量カップを使いましたが、100gの量を測っても70gくらいしかありませんでした。その軽量カップは200ccで75gと書かれていましたが、計量すると60gありませんでした。少なくとも何回かはしっかり計量して使用しているフードの傾向を覚えておきましょう。
ドッグフードにこだわる人は海外製を使っているかもしれません。私の買ったフードは1カップ200mlではなく、250mlと書かれているものがありましたので、要注意です。
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