≪≪この記事をすべて読むには約 9 分かかります≫≫
電化製品を新品で購入すると、普通は「保証」というものがついています。半年から3年くらいまでのものまでいろいろあります。
中国で山寨機に分類されそうな有象無象のスマートフォンでも、買う店によっては一応1年保証を付けてくれたりします。
今度購入するデジタルカメラに、「延長保証」をつけるかどうか、いろいろ検討しました。

注:契約内容にかかわらず、故意によるものは保証対象外
メーカー保証
Wikipediaでメーカー保証って何かというのを見てみると、(最終更新 2015年8月26日 (水) 13:13)
メーカーが保証修理で対応することの理由は、主に以下の二つが挙げられる。
- 顧客の信頼回復
不具合が発生すると製品や企業の信頼を損ねてしまうため、無料修理をすることにより信頼回復を図る。
- 製品の品質向上
製品や部品の不具合内容をメーカーへフィードバックすることにより、製品の改良に努めることができる。
電化製品においては、無改造の自然故障において購入日から1年間を無料修理というのが慣例となっている。 メーカー保証を受けるには保証書の記入と保管が必要であり、紛失してしまった場合には有償となる。(ただし一部ではパソコン等の製品でメーカーが購入日を固有番号で把握できる場合は保証書を紛失してしまった場合でも保証される場合がある) 最近では、家電量販店やネット販売での競争もあり、メーカーや販売店が独自の長期保証規定を設ける場合が増えている。 バルク品、ジャンク品、逆輸入品などは通常メーカー保証は付かない。
だそうで、信頼性を高めたり次の製品に生かすために「自然故障」を無償修理するものです。今まで生きてきて、初期不良を除いて故障したのはXBOX360とパソコン、中華タブレットくらいです。
XBOX360は排熱に問題ある構造で、あまりの故障率の高さに製造販売元のマイクロソフトが無償修理期間を延ばしました。私はたぶん2006年に購入したので、新型を買った2012年までの6年間で最低5回故障しました。あまりにも故障するので、2台持ちして壊れたら修理に出し・・・していた覚えがあります。
普通の家電はそんなに故障しませんから、「自然故障」の無償修理は使ったことがありません。
延長保証
家電の延長保障は、メーカー保証に順ずる無償修理を行うもので、損害保険会社が引き受けたり、販売店が行うサービスです。
4年延長するものなら「5年保証」、6年延長するものなら「7年保証」と呼ばれることが多いです。
長い間使っていると電化製品は壊れるものですから、5年・7年の無償修理なら悪くない気もします。
延長保証の落とし穴
でも、便利そうだと飛びつく前に知っておかないといけないことが多くあります。
「改造」はダメ
ある意味当然ではありますが、自分で修理を試みようとして開けたりすると危ないです。ルンバのように掃除のために分解するような機器だったら大丈夫かもしれませんが。
代替品になることも
修理代金が高くなるとき、「新品」になって戻ってくる場合があります。ただし、同じ製品かどうかは保障されず「メーカーを問わず同等品」と書かれているだけで消費者に選択の自由はありません。
延長保証を体験したことがないのでわかりませんが、カメラで考えると、メーカーを変えられたら消費者からすると「同等」はあり得ません。でも、保証会社に「同等」を判断する権利があります。
付属品は保証外
保証対象になるのは「家電の本体」だけです。ユーザーが「付属品」と認識しているものとは違います。
インターネット上の体験談には、掃除機のパワーヘッド部分は「付属品」で保証対象外だったという例がありました。
カメラを考えると、レンズキットを買ったらレンズは保証外と思われます。
譲渡すると無効の場合も
所有者が変わると無効になるサービスもあります。
物損保証
メーカー保証や通常の延長保証ではあくまでも「自然故障」だけが保証されます。
落とした場合や水を被った場合などには保証が受けられません。しかも、「落とした・水に濡れた」ことがわかった場合、直後には故障しなくてもそれが原因で後で故障したと判断されることがあります。
携帯電話などは水濡すると変色する、水濡れを判別するためだけの部品が取り付けてあったりします。
そのような自体を保証してくれるのが物損保証です。力強い味方になりそうな気がします。
保証内容
保証上限金額が決められており、その範囲内で修理代金を支払ってくれます。ほとんどの場合、修理代金の上限が保証期間内で変化していきます。
たとえば、
- 1年目—100%
- 2年目—50%
- 3年目—40%
- 4年目—30%
- 5年目—20%
のように変化していきます。10万円が保証される場合、5年目には2万円までの保証になります。また、使った場合には上限金額がその分減っていきます。
残った保証金額で修理ができない場合、残りの保証金額を支払って貰った上で製品は処分されます。
保証対象外になる場合
物損保証で保証が効かない場合があります。例を挙げると以下のような場合で、基本的には物損保証がついていない延長保証と同じです。
盗難・紛失
「修理」をしてくれる保証なので、なくなった場合は保証対象外です。
火災で全焼
火災で全焼してしまった場合も、本体の確認が取れないので保証外です。
シリアルナンバーが消えた
私が規約を読んだ会社では、シリアルナンバーが消えた場合には保証外になるが、火災でシリアルナンバーが焼けてしまった場合は保証が受けられるとありました。
保証会社を通さない修理
メーカーに直接修理依頼した場合、保証が無効になります。結構痛い気がします。
気になる点
物損保証で気になるところは、
- 保証金額の目減りが大きい
- 事前見積もりがない
- 修理を保証会社に依頼しなければいけないので、誰が修理するのか、修理見積もりが妥当か、不明
という3点です。例えば、10万円分保証の2年目に故障して、メーカー修理だと2万円で済むはずなのに6万円請求された場合、1万円追加で払って修理してもらうことは規約上できず、
- 5万円もらって製品を手放す(相手には2万円で修理できるたぶん6万~7万の製品が残る)
- 往復送料と修理見積もり料金(たぶん2万円くらい?)を支払う
という二択になってしまいます。壊れ方によりますが、評判の良い保証会社を選んだほうが良さげです。(そんなに壊れるものではないので、口コミがあまりありません。詳しくは検討している保証規約をご覧ください)
結論:延長保証は必要か?
付けたからといって安心しきれません。落下させやすいもの(デジカメは壊しやすいです)は物損保証を含めて入っておいても良いと思います。
壊れたときに掛かりそうなコスト、そのときに新品/中古の価格がどうなっていそうかなど、総合的に判断したいところです。
また、メーカー保証は付属品にも適応されると思いますが延長保証は基本的に「本体のみ」に適応されるものが多そうです。(例外はあるかもしれません)カメラでいうとレンズ単体で購入した場合レンズに延長保証を掛けられますが、レンズキットとして購入したレンズは延長保証が掛かりません。
延長保証の料金は、販売店によって違いますが多くは販売代金の5~8%です。カメラレンズキットを買う場合には、そこも考慮したほうが良いと思います。(ボディ単体よりキットレンズ分の保険代金が加算されるのに保証はボディのみ)
コメント