今年2022年も春のスギ花粉症が本格的にやってきました。2020年、2021年はコロナ対策で結構ごついマスクをしたり、そもそも外出をほぼしなかったので、花粉症の自覚症状はかなり軽症でした。
ここ数年、花粉症の症状が結構楽だったので忘れかけていましたが、今年は市販薬で乗り切りたいなと思っています。
今年の花粉飛散予測
あちこちのウェブサイトで出ていますが、花粉症の処方薬でかなり良く耳にするアレジオンの市販薬を紹介しているウェブサイトには、今年はそれほどひどくなさそうとの予測が出ていました。
どのくらい飛びそう?2022年の花粉飛散量の傾向
2022年春のスギやヒノキの花粉量は、東日本で前年より多くなりますが、近畿地方から西ではばらつきが大きく、近畿や山陰では前年より少なくなりそうです。
例年と比較すると、関東から北では例年並みかやや多く、東海から西の地方は例年並みかやや少ない地域が多いでしょう。少ない地域でもシーズンの花粉量が2,000個/㎠(一般的に多いといわれる量)を超えるところが多く、関東から北の内陸では5,000個/㎠以上になるでしょう。

日本気象協会の予測でも少なめの地域が多いということです。

が、上記エスエス製薬のウェブサイトだと同じ地域でも平年より多いとも書いてあって「どっち!?」と思わなくもないですが、飛散量が全体では少なくても症状が出るときは出てしまいますので、何も対策をしないのはダメですよね。
病院の処方薬を使うまでもない可能性はあるので、今年は市販薬を使っていきたいと思います。
市販の内服薬
市販の薬も最近スイッチOTC(処方箋薬専用から、薬局で店売り認可が出て買えるようになったもの)が多く、少し前まで病院・クリニックに行かないと手に入らなかった飲み薬が使えるようになっています。ただ、特に1日1回で済む薬剤は結構高いです。
エピナスチン(アレジオン)
日本では処方薬の先発薬としてもスイッチOTCとしてもアレジオンとして販売されているエピナスチンです。処方薬は日本ベーリンガー、OTCはエスエス製薬が販売しています。エスエス製薬のOTC薬の製造元は不明ですが、エスエス製薬はベーリンガーの100%子会社だったことがあり、現在はベーリンガーから市販薬部門を纏めて別の製薬会社、サノフィの子会社とされているので、基本的には先発薬と同じようなものの、はず、と思って良さそうです。

が個人差はあるかもしれませんが、偶に「これは効かない!」と思ってしまう後発薬に当たる場合がありますので、ブランドに拘りがなければ、より安い後発メーカーのものと、アレジオンを少量買ってみて飲んでみるのが良いかと思います。
個人的には、結構高いので別の薬を飲むことが多いかなと思います。
後発ブランドなら、120日分で5308円とかなり安くなります。
フェキソフェナジン(アレグラ)
アレグラも有名な内服薬で、OTCとして多くのメーカーから出ています。一日2回なので若干面倒です。
現時点での価格で、アレグラFXは28錠5箱=70日分で6020円、アレジオンは24錠3箱=72日分で5858円なので、先発薬ブランドだとアレグラもアレジオンも同じかアレジオンのほうが安いくらいですが、フェキソフェナジンは後発薬がかなり安く出ています。
アレルビなら84錠3箱=126日分で4107円で出ています。(いずれもamazonの無料配送で比較)
内服タイミング
一日一回の飲み薬が良ければアレジオン、二回で良ければアレグラの後発薬ですが、一番効果が高いかもしれない内服タイミングはアレグラの場合は「食前」のようで、アレジオンは昼間に眠くなるのを防ぐための「夜」のようです。

他の薬
クラリチンやエバステル、ザジテンなども販売されていますが、売り上げ的にアレグラ、アレジオンに及ばないようです。個人的にも効果の割に眠くなるような気がするので好きではないですね。
市販の点鼻薬(ハナグスリ)
ホルモン剤のステロイド薬が効果が高いです。副作用もよく知られている薬剤なので、症状の軽いときはしなくてもいいかも。
ステロイドの副作用
ステロイドの主な副作用とその対策を下記に示します。これらの副作用は患者さんの全てにみられるわけではなく、疾患、内服量、内服期間などにより様々です。
- 易感染性:免疫力が低下するため感染症にかかりやすくなります。手洗い、うがい、マスク着用、人混みを避けるなど感染症対策をして下さい。ステロイドの内服量が多い時は感染予防の薬を内服することもあります。
- 糖尿病、高脂血症、高血圧:過食をしない、塩分制限などの食事療法を行うことが大切です。場合によっては、糖尿病・高脂血症治療薬や降圧薬を内服することがあります。
- 消化性潰瘍:胃や十二指腸に潰瘍ができやすくなります。胃酸分泌を抑制する薬や胃粘膜を保護する薬を内服します。
- 骨粗鬆症:骨が脆くなりやすいため予防薬(ビスホスホネート薬など)を内服します。
- 満月様顔貌:脂肪の代謝障害により起こります。ステロイドの減量で改善します。
- 精神症状:不眠症やうつ病になることがあります。重症な場合は抗うつ薬を内服します。
- その他:白内障、緑内障、ステロイド筋症、生理不順、痤瘡などがあります。
副腎皮質ステロイド | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)「日本リウマチ学会(JCR)」は、60年に亘り任意の学術団体として、リウマチ性疾患の研究および診療内容の向上を推進することを目的に活動して参りました。平成14年4月1日に中間法人法が施行されたことを受け、平成15年4月に、従来の任意の学術団体から社会貢献型の非営利団体である有限責任中間法人「日本リウマチ学会」を設立しま...
累積使用量で発症が増える副作用も知られているので、使わなくて済むなら使いたくないですね。内服で使うような抗アレルギー薬は大きな効果が見られないようです。
ナザールαAR(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)
2020年にスイッチOTCとして発売されたばかりのステロイドホルモン剤です。
ものすごく紛らわしいことに、佐藤製薬のナザールブランドは以前から使われており、αARではない無印のナザールは古い抗アレルギー薬のクロルフェニラミンマレイン酸塩と、血管収縮薬のナファゾリンが配合されています。
効果が強くないのと、血管収縮薬は長期に使用すると逆に鼻炎を引き起こすとされていてあまり使いたくありません。長期、というのが数か月とかなら花粉症に使用してもよさそうですが、なんと2週間以上の連用で懸念されるそうです。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000016541.pdf
他にも何種類か同じ薬剤の製剤が出ています。
AGアレルカットEXcはメントール入りのクールタイプしかありません。風邪薬で有名なパブロンも「アタック」がないものはナザールと同じですが、若干量が少ないです。多用しないならちょうどよいかもしれません。
フルナーゼ(フルチカゾンプロピオン酸エステル)
同じくステロイド薬のフルナーゼは2019年からスイッチOTCとして販売されていますが、指定第2類医薬品という分類の薬剤です。
普通の通販では見つからず、ネット注文・店頭受け取りのオーダーが出せるだけのようです。買いにくいです。

市販の点眼薬(メグスリ)
目薬もかなり色々な種類がありますが、内服薬と同じように効果が高いとされる世代の新しめの薬は、ザジテン(ケトチフェンフマル酸)しかなく、それもかなり古いものです。他にOTC薬はインタール(クロモグリク酸)とゼペリン(アシタザノラスト)、リザベン(トラニラスト)がありますがかなり古い世代です。ただ、市販薬では有効成分を組み合わせて効果を上げるようにされているものがあり、合う人には十分かもしれません。
ザジテン(ケトチフェンフマル酸)
単剤で効果が一番強そうなのがザジテンのスイッチOTC薬です。
アルガードクリニカルショット(トラニラスト)
2剤以上を混ぜた薬剤で、唯一トラニラストを配合しているのがアルガードクリニカルショットです。ただし、トラニラストは皮膚の炎症を起こす場合が知られているので要注意です。
インタール系統
個人的にはインタール合剤が価格と効果のバランスが良く感じます。クロモグリク酸とクロルフェニラミンマレイン酸塩%、その他抗炎症剤を含むものが多く売られています。
クロモグリク酸 1%(処方薬インタールと同じ)とクロルフェニラミンマレイン酸塩 0.03%、抗炎症剤プラノプロフェン(二フラン)0.05%(処方薬二フランの半分)の最大配合の薬剤です。クロルフェニラミンマレイン酸はポララミンという薬剤で処方されるもので、古い薬剤のため市販薬で買えますがかゆみ止め効果が強いので今でも病院で使われている薬です。
こちらの「マイティアアルピタットNEXα」も有効成分は同じなので、ボトルの好みと値段で選ぶのが良いかと思います。目の保護成分を足した「マイティアアルピタットEXα7」もありますがかなり値段が違うのでドライアイとか疲れ目とかに困っている人以外は「マイティアアルピタットNEXα」で良い気がします。
薬局のプライベートブランドなどではかなり安く手に入りますが若干濃度が低い薬剤があったりいろいろです。
個人的チョイス
一日2回の内服で良いと思うのでお手頃なフェキソフェナジンの後発薬、インタール系統の点眼薬、ひどいときには点鼻薬ですね!あと、マスクと可能ならメガネ(花粉症用のものがベスト)をするのは必須です。
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