2020年10月30日、Lenovo ThinkCentreの第3世代Ryzen Pro搭載モデル、M75q Tiny Gen2カスタマイズ直販が開始されています。価格コム限定モデルも出ていますが、Windows 10 Proが選択できるモデルはクーポンが効かない場合があるようです。
ThinkCentre M75q Gen2
Lenovoの1LサイズコンパクトパソコンMシリーズTinyのうち、AMDのAPUを搭載したシリーズの第3弾で、M715q、M75q-1の後継機種になります。
第3世代Zen2コアのRyzenを搭載しており、全機種AMD Pro機能対応のRyzen ProもくしはAthlon Proで、最上位のRyzen 7 Pro 4750GEまで選択できます。発売時点での最新CPUですが、Pro版CPUにはRyzen 9の設定はなく、M75q Gen2を含むMシリーズTinyに搭載されているCPUはデスクトップ版ですが低消費電力版のGEです。例えば、Ryzen 7 Pro 4750GではなくRyzen 7 Pro 4750GEです。
自作用に販売されて人気のCPUではありませんが、PassmarkのCPUベンチマークはかなり近いです。
Core(Thread) | クロック | ブースト | TDP | Passmark | |
4750G | 8(16) | 3.6GHz | 4.4GHz | 65W | 21197 |
4750GE | 8(16) | 3.1GHz | 4.3GHz | 35W | 20456 |
3400GE | 4(8) | 3.3GHz | 4.0GHz | 35W | 8189 |
ベンチマークの値も近いですし、通常動作クロックは大きく違うもののブーストは100MHzの違いしかないのに最大消費電力(TDP)は30W少なくなっている、コンパクトPCに最適な感じのCPUになっています。
前機種M75q-1の最高CPU、Ryzen 5 Pro 3400GEは4コアでPassMark 8189でしたので、大幅にパワーアップできそうです。
MシリーズTinyは、Tiny-in-Oneモニターと組み合わせることでディスプレイポートケーブルとACアダプターを一つ減らして疑似的な一体型(AIO)パソコンのようにすることができるのが最大の特徴です。個人的にかなり気に入っています。
直販モデルのスペックと価格
2020年10月30日時点での直販モデルは、価格コム限定モデルを含めて7種類です。
Lenovoの公式直販は平日夜間、週末には時間限定クーポンが出ていて、週末限定が最安のことが多いです。(平日昼間より高いことはないです)
平日昼間のクーポン(ADAKAKAKUOFJL1105、JPSP1105)でも割引額は結構あるので、ひょっとしたら夜間、週末でもあまり変わらないかもしれませんね。Windows 10 Proを選択できるスタンダードモデルにも週末にはクーポンが適用されるとうれしいです。
最小構成での価格
CPUは選択できる最高のものを、ストレージ、メモリは最小構成、必ずしもなくても良いキーボード、マウス、スタンド、WIFIは除外した場合の価格です。標準モデルのスタンダードのみWindows 10 Proを選択しています。
毎週末同じ割引率とは限らないのと、時々構成が変わるのでいつも同じとは限りません。
平日の昼間
平日昼間のクーポン(ADAKAKAKUOFJL1105、JPSP1105)、2020年10月30日に確認したものです。
CPU | メモリ | SSD | 電源 | 構成後価格 | 割引 | 販売価格 | |
価格コムスタンダード | 4350GE | 4GB | 256GB | 65W | 86900 | 42460 | 44400 |
価格コムパフォーマンス | 4650GE | 4GB | 256GB | 65W | 103400 | 55500 | 47850 |
価格コムプレミアム | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 126500 | 77000 | 49500 |
スタンダード | 4350GE | 4GB | 256GB | 65W | 86900 | 36498 | 50402 |
パフォーマンス | 4650GE | 4GB | 256GB | 65W | 103400 | 43428 | 59972 |
プレミアム | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 126500 | 53130 | 73370 |
スタンダード(ProOS可) | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 135300 | 60885 | 74415 |
WIFI+Bluetoothとして、インテル Wi-Fi 6 AX200 (2×2)が4400円、これまでのインテルWireless-AC 9260は少し安くなって3300円になりました。
スタンダードモデルのみWindows 10 Pro搭載です。価格コム限定モデルはCPUの変更ができませんが、通常モデルは変更できます。スタンダード以外は変更できるとはいっても同グレードのProではないCPUに変更できるだけです。値段も微妙なので、リセールする場合でもつぶしのきくProのほうがよいのではないでしょうか。
Ryzen 3 Pro 4350GEが最安で、4300G +2200、Pro 4650GE +16500、4600GE +16500、4700GE +37400、Pro 4750GE +39600円です。
価格コム限定モデルのプレミアムが最もよさそうです。
2020年11月2日更新
10月31日ごろから、価格.com限定プレミアムモデル(Ryzen 7 Pro 4750GE)でのみ、メモリ容量の4GBが選べなくなっており、最小価格構成時のが56100円になっています。ディスプレイ出力の追加1100円と合わせると57200円です。割引価格は77000円で変わりません。
また、ハードディスク追加を行うことで(最小価格9900円)、M2 SSD(256GB 25300円)を初期構成から除けたのですが、価格.com限定モデルではSSDを除けなくなっています。
CPU | メモリ | SSD | 電源 | 構成後価格 | 割引 | 販売価格 | |
価格コムパフォーマンス | 4650GE | 4GB | 256GB | 65W | 103400 | 55500 | 47850 |
価格コムプレミアム | 4750GE | 8GB | 256GB | 65W | 133100 | 77000 | 56100 |
パフォーマンス | 4650GE | 4GB | 256GB | 65W | 103400 | 43428 | 59972 |
プレミアム | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 126500 | 53130 | 73370 |
価格.com限定プレミアムモデルが実質的に少し値上がりです。JPSP1105以外にも、一部の広告からいくと表示されるクーポンADOFF1105でも試してみましたが、割引率は同じでした。
平日夜間
2020年11月5日深夜に確認したところ、平日夜間のクーポンはスタンダードモデル(ProOS選択可)でも適応されていました。平日昼間もひょっとしたら今後適応されるのかも?
CPU | メモリ | SSD | 電源 | 構成後価格 | 割引 | 販売価格 | |
価格コムスタンダード | 4350GE | 4GB | 256GB | 65W | 86900 | 42460 | 44400 |
価格コムパフォーマンス | 4650GE | 4GB | 256GB | 65W | 103400 | 55500 | 47850 |
価格コムプレミアム | 4750GE | 8GB | 256GB | 65W | 133000 | 77000 | 56100 |
スタンダード | 4350GE | 4GB | 256GB | 65W | 86900 | 39105 | 47795 |
パフォーマンス | 4650GE | 4GB | 256GB | 65W | 103400 | 46530 | 56870 |
プレミアム | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 126500 | 56925 | 69575 |
スタンダード(ProOS可) | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 135300 | 60885 | 74415 |
Windows 10 Pro選択可のスタンダードモデルでProを選択した場合、価格.com限定モデルのプレミアムとの価格差が18000円です。(メモリを考えるともう少し)
Windowsのアップグレードの手間賃をいくらと考えるかですが、場合によってはスタンダードの選択もいいかもと思える価格差ですね。
週末・祝日
週末クーポン(ADKAKAKUOFFJL1105、JPWE1101)、2020年10月30日夜間に確認したものです。
CPU | メモリ | SSD | 電源 | 構成後価格 | 割引 | 販売価格 | |
価格コムスタンダード | 4350GE | 4GB | 256GB | 65W | 86900 | 42460 | 44400 |
価格コムパフォーマンス | 4650GE | 4GB | 256GB | 65W | 103400 | 55500 | 47850 |
価格コムプレミアム | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 126500 | 77000 | 49500 |
スタンダード | 4350GE | 4GB | 256GB | 65W | 86900 | 39105 | 47795 |
パフォーマンス | 4650GE | 4GB | 256GB | 65W | 103400 | 46530 | 56870 |
プレミアム | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 126500 | 56925 | 69575 |
スタンダード | 4750GE | 4GB | 256GB | 65W | 135300 | 60885 | 74415 |
価格.com限定モデルの割引率は昼間と変わりませんでした。通常モデルは割引率が若干アップでしているのと、スタンダードモデルで割引適応されました。
ただ、価格.com限定モデルプレミアムとの価格差が2万5千円くらいなので、Windows Proを購入するのが面倒でなければ、そちらのほうが安いは安いです。
M75q-1との価格差
M75q Gen2発売後、M75q-1の価格コム限定モデルなくなってしまったのですでに単純比較は難しいのですが、以前のM75q-1価格と比較すると結構上がっています。

CPU | Window | メモリ | M2 | Wireless | K/M | HDMI | 電源 | 価格 |
3400GE | Home | 8GBx1 | 128GB | なし | なし | あり | 135W | 35420 |
これと同じ構成にできないことが原因ですが、
CPU | Window | メモリ | M2 | Wireless | K/M | HDMI | 電源 | 価格 |
4650GE | Home | 8GBx1 | 256GB | なし | なし | あり | 65W | 55500 |
4650GE | Home | 4GBx1 | 256GB | なし | なし | あり | 65W | 48950 |
大体似通った構成にしても、13000円くらいは上がっています。価格差の内容は主にオプションと思いますので、低価格モデルを選ばない場合にはそれほど変わりません。
M75q Gen2の場合、メモリ4GBを標準として、8GB:6600円、16GB:19800円、32GB:46200円、64GB:99000円で、M75q-1とメモリ速度がPC4-21300からPC4-25600に上がっても据え置かれています。
ストレージは、現時点でM75q Gen2では128GBの選択肢がありませんが、M75q-1の場合、
- 128GB M.2 2242 NVMe + ¥13,200
- 256GB ソリッドステートドライブ (M.2 2242, PCIe-NVMe) + ¥25,300
- 256GB M.2 2280 NVMe (OPAL対応 ) + ¥26,400
- 512GB ソリッドステートドライブ (M.2 2242, PCIe-NVMe) + ¥49,500
- 512GB ソリッドステートドライブ (PCIe NVMe M.2 2280) OPAL対応 + ¥55,000
- 1TB ソリッドステートドライブ (NVMe M.2 2280) OPAL対応 + ¥96,800
でしたのでACアダプタ135Wが2200円でつけられたことを思うと、SSDと合わせるとほぼ価格差はありません。ただし、10月31日現在、プレミアムモデル(Ryzen 7 Pro 4750GE)のモデルでも135WのACアダプタを選択できず、オプションでもつけられません。
APUの消費電力は全モデルTDP35Wなので、前世代とは変わっていないのですが、前世代でもACアダプタの電力が足りていない場合がありパフォーマンスが制限されていたようなので、ぜひ欲しいところではあります。
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