WordPressにWordPress.comがあるように、JoomlaにもJoomla.comという無料ホスティングサーバーがあります。
登録してみました。
Joomla.com
Joomla.comはアメリカのレンタルサーバーSitegroundが運営しています。Sitegroundは、今ではWordPress最適化も提供していますが、どちらかというとJoomlaに深くかかわってきたレンタルサーバーです。
サーバーの仕様はWordPress.comに近く、使えるテンプレートは限られていてテンプレートファイルを更新できません。また、拡張機能が追加できません。
WordPress.comと違って、Google Analyticsを入れられるのと、コメントシステムのDisqus、ソーシャルボタンのプラグインがインストールされています。
Joomla.com登録
登録はいたって簡単です。
Joomla.comにアクセスしてユーザー登録をします。
希望するサブドメイン名と、Emailアドレス、パスワードを打ち込んで、「Launch your website」を押すと、登録したEmailアドレスに認証URLが送られてきますので、クリックします。
それだけでウェブサイトにすぐアクセスできます。
規約では、著作権はユーザーにあるけれども無制限でコピー・改変などを運営会社に許可することになっています。
日本語の表示
初期状態では英語ですが、日本語もインストールされています。
日本語化の方法は、
1) メニューバーからExtensions→Language Manager、もしくはControl Panel(メニューバーのJoomlaアイコンか、System→Control Panel)上にあるConfiguration→Language Managerをクリックして言語メニューを開きます。
2) 言語メニューの左側に表示されている
- Installed – Site
- Installed – Administrator
の最後に日本語 (ja-JP)がありますので、それをデフォルト設定(星をクリックして黄色にセット)すれば終わりです。
投稿用のコンテンツ言語を設定しておいたほうが良いですが、多言語サイトでなければなくてもそんなに問題になりません。
コンテンツ言語を設定する場合は、同じく言語マネージャー(日本語メニュー名はランゲージ管理)からコンテンツ(Content)を選んで設定します。
管理画面にもテンプレート
管理画面がWordPressとは大きく違いますので、管理画面の雰囲気を掴むのにはJoomla.comが一番手軽で簡単です。
管理画面の見た目を変えるテンプレートが2つ用意されています。
私の好みは、Joomla.comで標準で採用されている「isis」です。もう一方の「Hathor」のほうはクラシックな(悪く言えば古臭い)デザインですが、記事を書くためのリンクが一番大きく見やすくなっているのと、設定画面で一画面の情報量が多いので好みだと思います。
Google Analytics
Google Analytics用のプラグインを用意してくれているので、設定画面からトラッキングコードを入力すればアクセス解析を有効にできます。
プラグインの設定は、メニューから「エクステンション→プラグイン管理」に入ります。
WordPressと違って、CMSのコア部分もプラグインとして管理されているため、自分で設定したプラグイン以外のものが大量に表示されています。
検索とフィルタリングが標準で容易されています。Google Analytics用のプラグインの名前は「Siteground – Google Analytics」です。
ソーシャルボタンプラグイン
用意されているソーシャルボタンはプラグイン「Siteground – Social buttons」で設定します。
使えるのは、Twitter、Facebook、Google+、Linkedinの4つです。Analyticsプラグインと大きく違う点があって、プラグイン設定をしただけでは表示されません。
これは、WordPressと根本的に違う点です。
Joomlaの拡張機能システム
WordPressでは、拡張機能はテーマとプラグインで、画面に表示するモノを設定する際にはウィジェットを設定します。
Joomlaでは、機能の拡張はテンプレート(テーマ)、コンポーネント、プラグイン、モジュールに分かれています。
- テンプレートはWordPressのテーマと同じようなものです。
- コンポーネントは、サイト表示には関わらない部分で、WordPressでいうと「設定」や「設定」外の独自メニューのようなものです。
- プラグインは、サイトが構築されたり、表示されるときに介入して表示を書き換えたりする拡張機能です。
- モジュールは、サイト内の特定の位置に表示される拡張機能です。
ソーシャルボタンのようなプラグインでは、記事の上下など表示させる場所を一定にする設定だけできる拡張機能(エクステンション)は、プラグイン(+場合によってはコンポーネント)ですが、任意のページの任意の場所に表示したり、ページごとに表示場所を変えたりということを意図したエクステンションでは、モジュール(+プラグイン+コンポーネント)を設定しなくてはいけません。
モジュール設定
ということで、Siteground謹製のソーシャルボタンプラグインは、有効にした後モジュールを設定しなければ表示されません。
設定画面は、エクステンション→モジュール管理で、モジュールタイプは「SiteGround – Social module」です。
設定項目は分かりやすいと思いますが、表示の設定は少し分かりにくいです。
まず、有効にするかどうかの設定(状態:公開、非公開)があります。公開で表示され、非公開では非表示になります。
次に、表示場所の設定があります。「表示位置」のタブから表示位置を選びます。ここでは、現在有効にしているテンプレートで設定されている表示位置がすべて表示されてしまいますので、面倒なので使わないテンプレートは無効にしておいたほうが楽です。
このあたりが非常に不親切で、標準添付テンプレートにあるまじきことだと思うのですが、どの位置に設定すると、どこに表示されるのかが分かりません・・・。
SiteGroundのウェブサイトにマップが載っています。
最後に、どのページに表示させるかの設定を行います。管理画面にisisを使っている場合には、上のほうにタブがあって、「メニューの割り当て」で設定します。Hathorの場合には、メイン画面上に「メニューの割り当て」が出ていますので設定します。
プラグインを入れられたら、もう少し細かい設定ができるようになりますが、Joomla.comでは簡単な設定だけができます。
メニュー?
メニューの割り当てというのがまた少し分かりにくい概念です。Joomlaでは、表示される内容を「メニュー」というカテゴリーわけで区別しています。
メニューといっても、画面上に表示されているメニュー以外に裏メニューを作成できます。
この「メニュー」を作成して、割り当てられたページ全体に対して、モジュールの表示設定、使うテンプレートを設定していきます。
通常は、記事にカテゴリーを設定していくと思います。メニューに、カテゴリー記事一覧やカテゴリーブログを表示させるメニューアイテムを作成しておくことで、ブログ上からカテゴリー記事一覧などを見ることができるようになります。
また、SEOフレンドリーなURL(SEF URL)を使用している場合には、このメニュー名のURLがURLに使われます。このtek2tech.comで言えば、Joomlaカテゴリーを表示させるメニューアイテム「joomla」を設定すると、Joomlaカテゴリーの記事を開くと、tek2tech.com/joomla/というURLで表示されるようになります。
だいぶ面倒くさいのですが、表に表示されないメニューを作成することで任意のURLでページを表示させられるようになります。一回設定すれば触らなくても済みますが、とっつきにくいところです。
エディターTinyMCE
Joomla.comで用意されているエディターは、TinyMCEとCodeMirrorです。
CodeMirrorは、コードエディターなので通常はTinyMCEを使うと思います。Joomlaで一番メジャーなエディターはJCEなのですが、拡張機能になるのでJoomla.comには入れられません。
TinyMCE上からはPHPは使えませんが、設定すればjavascriptは使えます。
コンポーネントがありませんのでプラグインを設定します。エクステンション→プラグイン管理からTinyMCEを探して設定します。(JCEには設定用コンポーネントが用意されています。)
Joomlaに触れてみるには悪くない
テンプレートは用意されたものしか使えずカスタマイズができません。また、拡張機能が入れられないのと、サイト容量が200MBに制限されています。
制限は多いですが、Analyticsが使える分、WordPress.comより良いかもしれません。
Joomlaを自動インストールできるレンタルサーバーは多くないので、少し触ってみるのには良い選択肢だと思います。(気に入ったら、SiteGroundの有料アカウントにアップグレードするオプションがしっかり容易されています。)
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